今年は飛び石連休で２月7日にS55卒富山さんと入洛。
ハプニング①格安LCC利用の富山さんはザックにストックと軽アイゼンを収納し手荷物で機内持ち込みの予定が、検査場でそれらが凶器と判定され持ち込み禁止、そして没収。1000円払ってザックを預けておけば．．．これこそが別途手数料が高く感じるLCCマジックか？

　夜はS49卒山川さん（富山さんの会社の上司でもある）と伏見の「藤丸」にて飲み会。
地元の銘酒をコンテストのようにグラスで呑む。泥酔する前に切り上げ散会。
帰り道が冷えてきた。

　８日10時にライフ宝ヶ池店でS55卒寺澤さんと合流。食料とアルコールを買い込み寺澤さんのホンダNBOXで芹生へGO。
貴船に入っても雪はなく芹生峠付近も路面に薄くついている状態。

　芹生の終点にあるヒュッテの前に車を止め、装備を整え正午前に山小舎へ向かうが、山道の積雪は１０㎝～２０㎝程でワカンがなくとも問題はなく1時半には小屋到着。炬燵やストーブの火起こしなど、手足はこごえるも小屋の快適生活に必須の作業を行う。
S61卒村上君率いる関西蛍雪山岳会の5名も程なく着き、4時から鍋を囲んで交歓会。
夜、雪は深々と降っていた模様。

装備付け

三の谷林道

三の谷出会い

三の谷

二ノ谷から蛇岩に向かう村上隊

　９日早朝、外に出たメンバーが次々に積雪の多さに声を上げる。深いところで膝が隠れるほどだ。
　朝食後、村上隊は訓練で男性4人、二ノ谷から蛇岩に向かう。私たち富山隊は午後入舎予定のH03卒の山本君を寺山峠に迎えに行くことを決定。

　ここでハプニング②村上君の奥さんのスマホが行方不明に。
小屋にいる４人でザックやシュラフの中まで探すが出てこない。命の次に大切なスマホがない。あと考えられるのは雪が５０～６０㎝に積もった外か？

　そうこうする間に村上隊帰着。村上君の判断でトイレまでの雪道を捜索に行く。村上君が雪を蹴り、寺澤さんが両サイドすり足で歩く。「あったぞー」の声が。寺澤さんの足に掛かった。（寺澤さん、運を使い果たしたのか帰りの芹生でJAFを呼ぶはめに）

　10時半頃に富山隊は下山する寺澤さん、村上隊と別れ、午後入舎するであろう山本君を迎えに寺山峠へ向かう。

村上隊と

村上隊と

ワンゲル新道の寺澤さん

　正午過ぎに峠に着くが一ノ谷の思わぬ積雪量に疲労困憊。そして吹き付ける雪交じりの強風が冷たく、体温が下がる。1時まで待つが山本君現れず、極寒冷による手足の痛さに耐えられず先に山小舎へ戻る。
つい先程に付けたトレースが消える程の降雪と昨夜の交歓会で手持ちの酒を完飲した富山隊にとってアルコール歩荷の山本君が不参加になれば．．．ラッセルする気力も萎え意気消沈で雪が降り続ける山道を歩く。

アルコール歩荷

　しかし、富山さんの読みがあたり3時半に山本君が入舎。狂喜乱舞、今夜も楽しい一夜が過ごせます。
（後編は山本君が書きます）

帰り道、三の谷出会いでの写真

雪を撮る富山さん

雪の塊

～アプローチ～
　２月６日７：30阪急武庫之荘駅出発。
この時間でも９時前には出町柳に着けるので東京や九州からアプローチしていた頃と比べると本当に贅沢だ。

　河原町でちらほら舞っていた雪はあっという間に強まり市内も雪化粧。叡山電鉄駅前では山行を断念して引き返す登山者も見受けられた。
先週入舎した現役の報告写真を見て「ただ寒いだけの雪無し山小屋」を覚悟していただけにこれは期待できる。興奮とどれくらいの積雪量か緊張が走る。

武庫之荘駅前

出発前 出町柳で

　10：00広河原行きバスに乗車。鞍馬を過ぎるころには乗客は自分を含め数名のみ。自由乗降中の音楽は今も変わらずイギリス民謡のグリーンスリーヴス。峠手前で除雪車が出現、気温マイナス１℃、チェーン装着の為に20分停車のアナウンス。
こちらも車内でショートソックスを履きスパッツを装着、準備を進める。程なく再出発し、途中、花脊峠手前で立往生しているモトライダー集団を目撃。積雪を予見できなかったのかもしれないが無謀（危険）とも言える二輪愛好家には困ったものだ（バイクメーカーに勤務しているので不謹慎な発言になるかもしれないが・・・）

鞍馬周辺

花脊峠手前でモトライダー集団

花脊高原

～花脊到着－寺山峠－二ノ谷～
　11:30花脊高原前到着。辺りは雪一色。別所自治会館の軒下でスノーシューを装着し出発。スキー場跡の横道を進む、積雪は約30cm、昨日の先発隊のものと思えるトレースが先まで続いており、ルートハンティングには困らない。息切れを堪え３ピッチで13：30寺山峠に到着。ここで出町柳で買った握り飯の昼食。静寂だ…時折杉の枝葉に積もった雪が粉の様に舞い頬にあたると心地良い。

Myザック＠花脊高原

スノーシュー装着

花脊スキー場近くで

寺山峠

寺山峠で記念写真

　さあ後は下りのみ、一ノ谷出合いまで一気に進む。そこから沢沿いにトレース跡をザクザクと軽快にワカンを履いているので渡渉も楽だ。だがなかなか二ノ谷出合いまで辿り着かない。徐々に独り歩きに飽きてブツブツ独り言が出始める。

　14：30二ノ谷出合い到着。二ノ谷を遡っていくが、いつもの雪の無い風景が頭に焼き付いているので現在位置が今一つ掴めない。途中二度ほどバランスを崩し横転してしまい雪中に埋もれ脱出するのも一苦労。ストックが無ければもっと大変なことになっていただろう。

～山小屋到着そして酒宴～
　結局、村上隊，寺沢先輩と誰ともすれ違うことなく15：00過ぎに小屋に到着。一週間前とは想像できないほどの雪だ。小屋の屋根もストーブ熱で解けることなく重厚に残っている。最高だ！写真をパチリと撮り玄関へ。
山本到着にまったく気が付かない先輩達の寂しい出迎えに「ヤンレー！」と大声で入舎。
アフターヌーンをコタツに潜り微睡んでた富山、吉村は熊が入ってきたような驚きぶり。
（無防備すぎまっせ！）

警告看板

小屋到着

小屋の中で（富山、吉村先輩）

　取り敢えずMyビールで乾杯。聞くと富山＆吉村先輩は寺山峠まで出迎えに来てくれるもなかなか小輩の姿が現れず引き返したとのこと（登りの遅い後輩ですみませんでしたm(__)m）
まずは秋のワークで忘れた個装探し。現役１回生の時から愛用していた立命スポーツタオルは軍手置き場で直ぐに発見。残念ながら関西ワンゲル連盟のミニ歌集/旅鳥は行方不明まま。

二ノ谷より小屋を望む

氷柱

パノラマ①

パノラマ②

　16時には早や夕食支度。メニューは白菜鍋だ。出汁は市販の粉末うどんスープだが実に美味い。白菜鍋の１回戦は豚肉、２回戦は鶏肉、歩荷してきた日本酒と白ワインで舌鼓。ほろ酔い気分でさあここからアクセル全開のタイミングでハプニング発生。

　 よもやのアルコール切れ（やはり量が少なすぎた）。
小屋に置いてあったペットボトル入りのウィスキー残り、レモンチューハイの元、学生時代さながら僅かな量のお酒で酩酊を試みるも無理、恒例のの山の歌も盛り上がりに欠け早々に幕引き。

　そしてついに禁断のワンゲル裁判が開廷の運びとなる。
容疑は『中山会長と米国文化』被告人中山会長欠席の中、検事の富山砲が炸裂、弁護人/吉村が懸命に擁護するも空しく、傍聴人/山本達は固唾を飲んで見守る。当該内容には不適切な表現が多数含まれておりこれ以上は、（中山会長の地位と名誉の為）とても書けず、本件については令和３年リベンジPWにて上告したいと思います。

月明りの山小屋

　そして夜も更け空にはスーパームーンが雪を照らし神秘的な美しさが、俗世の汚れを洗浄してくれる。０時就寝

～下山そして別れ～
　６：30起床。翌朝、積雪量は昨晩とほぼ変わらず、恐らく雪は降らなかったのだろう。
少し濃い味の朝ラーメンを食し、後片付け。薪を小屋の中に補充し記念樹の山桜に積もった雪を払い今春の開花を祈念する。

小屋

小屋②

小屋横の一本杉

薪を歩荷

雪だるま

富山さんとかまど

　10：30出発、両先輩はワカンが無いので小輩が先頭を歩く、福岡空港を出る際にストックを没収（LCCは一時預かりをしてくれなとのこと。皆さんご注意を！）された富山さんは吉村さんのストックを一本拝借しての歩行。林道終点からの積雪量は思いの外少なく途中からは雨模様。14時には貴船口駅に到着した。現在建て替え中の駅舎は３月完成予定とのこと。近代的な箱物でなく古き良き木造の味のある建造物を受け継いでもらいたいものだ。

二ノ谷

二ノ谷にて

芹生

芹生峠

雪の貴船神社

工事中の貴船口駅

　出町柳で吉村先輩と別れ、いつもなら百万遍の王将で打上げのところ富山先輩が下調べした東寺近くの有名店ミスター餃子へ。丸太町から２０２系統で羅生門ならず羅城門へ。

餃子を食す

　店はB級グルメ臭のする良い面構え、メニューは餃子と唐揚げと、ラーメンのみ！餃子は確かに美味い！二人で６人前をペロリ。
ここで反対方向となる富山さんとも別れを告げ、夕暮れの京都を去る。

～終わりに～
　今回２度目となるがやはり雪の山小屋素晴らしい（中山会長の涙雪？に感謝）。
いつまでこの感動を味わえるかは分からないが来年もまた楽しみにしている。